ヨーロパでは健康のために温泉を飲むのが当たり前?
温泉といえば浸かる。何を当たり前のことを言っているのだと思われそうですが、この温泉=浸かるという方程式は日本のみで通用する常識であり、一歩国外へと足を踏み出してみると全く通じなくなります。というのも、欧米、特にヨーロッパでは健康のために温泉を飲むのが当たり前とされており、日本のように温泉はただ浸かるだけのものではないなどの事柄があるからです。ただ、なぜにわざわざ温泉を飲まなければならないのか、日本人からしてみるとかなり奇異に思ってしまうことでしょう。しかし、これにはヨーロッパの人々からしてみるととても深い理由があるのです。
その理由は、ヨーロッパの食文化、そして温泉の水質の二つが存在しています。まず食文化の方から見てみれば、ヨーロッパの人たちは日本のように菜食や魚食ではなく、肉がメインの食事です。ですから、その食事から生活に必要なミネラルを摂取することができないという問題点があります。そのミネラル不足を解消する方法として用いられるのが、そう「温泉」なのです。しかし、なぜ温泉を飲むことがミネラル不足の解消になるのか?それがもう一つの理由である、温泉の水質に結びついてきます。
日本の温泉はよく軟水であると言われます。軟水というのは、水の食感が柔らかいというだけではなく、その成分にミネラルがそれほど含まれていないことを表しています。ですから、日本の温泉は飲んでもそれほど栄養価がありません。その点、ヨーロッパなどの欧米諸国の温泉水はミネラル分がふんだんに含まれている硬水であると言われています。ですから、それを飲むことによって貴重なミネラル分を体に取り入れることができるのです。
この二つの理由から、ヨーロッパの人達は温泉を習慣的に飲む必要があり、それが当たり前のように行われていることが理解できます。もしヨーロッパに行けば、ただ浸かるのではなく、飲む温泉の楽しみも味わってはいかがでしょうか。